【実は危険?】乗らない人こそ知って欲しいフォークリフトの運転ルール
こんにちは岩田です。
今回、会社の指示でフォークリフトの免許を取りに教習所へ行っております。
そこで知ったフォークリフトについてのことを他の方にも共有したいと思って記事にしました。
フォークリフトって便利だけど使う人によっては凶器にもなるんです!
フォークリフトとは
皆さんはフォークリフトはご存知ですか?
知ってる!見たことあるなぁ。でもどんなものだろう!どんな人が使えるの?
いろいろあると思います。
私も仕事をはじめる前までは工場で荷物の荷降ろしに使っている乗り物程度の認識しかありませんでした。
フォークリフトを運転するには資格が必要です。資格を持ってなければフォークリフトについてあまり知らないのは当然のことです。
しかしながら、私は資格を持っていない人にこそフォークリフトについて知っておいて欲しいと思います。
何故なら無知ほど危険なものはないからです。危険なものという認識を持つことで身を守ることにも繋がります。
とりあえず全ての人に知っていおいて欲しいのはフォークリフトを運転するには資格が必要であること。フォークリフトは公道で荷物を積んだり、降ろしたりすること認められていないことです。
まずはフォークリフトの定義から説明していきます。
フォークリフトの定義
フォークリフトは荷物を積み込むフォーク等とそれを昇降させる機構(マスト)を備えた動力付きの荷役及び運搬用の機械です。
つまり、荷物を先端部分に載せて上げ下げができる構造+車両のように動力を備えている乗り物をフォークリフトと定義します。
なので荷物を持ち上げて移動させることができても動力がなければフォークリフトではありません。
割とコンパクトなので小回りが効く上に重い荷物も軽々持ち上げる事が可能ですが、どういう仕組みで作られている知っていますか?
私は講習にいくまで考えたこともありませんでした。
フォークリフトの構造
フォークリフトってどのくらいのものを持ち上げることができると思いますか?
当然ですが、フォークリフトのスペックにより持ち上げられる量は変わりますが1トン以上の荷物を持ち上げられるフォークリフトは世の中にたくさん出回っています。
なんと42トンを持ち上げることのできるフォークリフトも世の中には存在するようです。
でもどういう仕組みで荷物を持ち上げていたり、車両によって持ち上げることのできる重さが変わると思いますか?
それにはパスカルの原理とテコの原理という2つの要素によって成り立っています。
パスカルの原理
フォークリフトのフォーク部分の昇降はマスト付近にある油圧シリンダーによる油圧によって行われています。
これはパスカルの原理に基づいた機構になっています。
パスカルの原理とは
パスカルの原理(パスカルのげんり、英語:Pascal's principle)は、ブレーズ・パスカルによる「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当りの圧力をそのままの強さで、流体の他のすべての部分に伝える。」という流体静力学における基本原理である。
つまり、パスカルの原理とは密閉された容器内だと一点に力を加えるだけで他の全ての部分に力を加えることができるというもので、これを応用すると小さな力でも大きなものを持ち上げることが可能となります。
フォークリフトはパスカルの原理を使った油圧シリンダーにより、1トン以上のかなり重たい荷物でも持ち上げることを可能にしています。
力学ってすごいですね。
しかしながら、持ち上げるだけでは実は不十分で、荷物が重すぎると前側に倒れる危険があります。
それがフォークリフトにより最大積載量が決められている理由です。
ここにはテコの原理が関係しています。
テコの原理
パスカルの原理に比べたらテコの原理は知っている人が多いのではないでしょうか?
テコの原理とは弱い力で物を動かしたり、微小な運動を大規模な運動に変換する物理の原理です。
支点を起点とした時のつり合いの関係は回転しようとする力(モーメント)の大きさによって決まります。
この回転しようとする力(モーメント)は力がかかっている部分への支点からの距離と力の大きさで決まります。
つまり、手では到底持ち上がらない荷物でもこのテコの原理を利用して支点から離れた場所で力を加えるといとも簡単に持ち上げてしまうことができちゃうというものです。
このテコの原理ですが、フォークリフトにも当てはまります。
実は、フォークリフトの操縦席の後ろにはカウンターウエイトと呼ばれる重りがついています。
このカウンターウエイトがないと荷物を持ち上げることができません。
というのも荷物を持ち上げる際にテコの原理が働いているからです。
よくよく考えれば分かることですが、車体の前に重量物を置くってめっちゃ不安定ですよね。
荷物を運んでいる際に前側に倒れちゃいそうですが、倒れません。
これは荷物を持ち上げる際、フォークリフトの前輪を支点とした際に、後輪側のモーメントがフォーク側のモーメントよりも勝っているからです。
つまり、フォークリフトは重い荷物を持ち上げるためにウエイトがついている乗り物で、積載量が大きいフォークリフトほど車両重量も重くなります。
なので見た目に限らず、かなり重いことを覚えておいて下さい。
前置きがかなり長くなりましたが、ここが一番伝えたかった部分で、フォークリフトで危険となるゆえんです。
1トンを持ち上げるフォークリフトの重量でも2.5トンくらいあります。
軽自動車が1トン前後なのでもしフォークリフトに引かれたら大怪我じゃ済みません。
自動車に比べたらぶつかっても大丈夫そうなイメージがありますが、実はかなりやばいです。
私は全く知らなかったのでほんとにびっくりしました。
使い方を間違えると実は危険なフォークリフト
フォークリフトは品物の荷降ろしをスムーズにするとても便利な乗り物です。
しかしながら簡単に操作しやすいが故に免許を持っていなくても使えてしまい、その結果大きな事故に繋がっているケースもあります。
そんなフォークリフトの運転ルールについても重要な点を説明します。
フォークリフトを運転するには資格が必要
フォークリフトを運転するには資格が必要となります。
車と一緒ですね。
この資格ですが、資格により1トン以上のフォークリフトを運転できるものとそうでないものがあります。
技能講習修了者というのが教習所で講習を受けて免許を取得した人のことです。
基本的に全てのフォークリフトを使用できます。何トンの荷重対応のフォークリフトであったとしてもです。ただし、運転時には修了証の携帯が必要です。
特別教育修了者というのは各社の社内で講習を受けた人のことです。1トン以下であればフォークリフトを運転できます。1トン以上のフォークリフトを運転すると無資格の人と同じく無免許運転となります。
無資格で運転をすると処罰の対象になる可能性があるだけでなく、取り返しのつかない事故に繋がるおそれもあるのでやめましょう。
ちなみにですが、公道を走行するには自動車運転免許も必要です。
フォークリフトは敷地外では荷役作業をしてはいけない
フォークリフトは通常、敷地外では荷役作業や運搬に使用することができません。
もし使用する場合は所轄の警察署長の道路使用許可が必要ですが、許可が下りるケースは工事などの一時的な作業です。
また公道を走行することに関しても自動車登録(ナンバープレートの取得)と自動車免許を携帯が必要になります。
これって意外と知らない人が多いのではないでしょうか?
正直このあたりに関してはグレーゾーンで狭い敷地で仕事をしている会社だと荷役作業の時だけ一瞬公道で作業するってこと良くあるんじゃないかなぁと思います。
街の中でもよく見かけます。
これに関しては厳しく取り締まってはいませんが万が一、人身事故が起きた場合は操縦者が逮捕されるだけでなく、会社にも大損害を与えるような事態になることは理解しておくべきです。
フォークリフトで起きる事故の原因
フォークリフトで起きる事故の原因は様々ですが、間違った使用方法による事故の原因をご紹介します。
意外とある無資格者の運転
先程説明したようにフォークリフトを運転するには資格が必要です。
ただ、車の運転ができる人ならちょっと運転すれば運転することができてしまいます。
これに関しては教習所でもフォークリフトには乗る時間はしれているので運転ができてしまうということに関しては別に悪いことではないです。
問題なのは危ないものであることを理解せぬまま運転しまっている可能性があることです。
そのため、危険に対しての認識が甘く、周囲の確認不足、誤った操作方法により大きな事故に繋がっているケースがあります。
危険な公道での荷役作業
先程公道での荷役はしてはいけないことは説明しましたが、公道で荷役作業をすることによる問題点は、公道を通る一般の人にも巻き込んだ事故に繋がる恐れがあることです。
会社にも属していない、たまたま道を通った人がフォークリフトの危険性について理解できていると思いますか?
さらに危険なのは有資格者が運転しているとは限らないことです。
この記事をご覧になった方は公道で荷役作業している場合は近づかないようにしましょう。非常に危険で悪質と判断する場合は、警察に連絡をしたほうがよいかもしれません。
子供が巻き込まれた事故も!誤った使用方法
フォークリフトは乗車席以外には人を載せてはいけないという決まりがあります。
(ただし、落ちないように柵のあるものに入って作業する場合等は良いようです。)
この決まりを破って、ルールを知らないであろう子供と遊んで大きな事故に繋がったケースもあります。
運転者が資格を持っていたかどうかは定かではありませんが、フォークリフトの怖さを知らないであろう子供にフォークリフトで遊ばせるなんてありえないことです。
ちょっとくらいならと思うことが大きな事故に繋がりかねないことを知っておいて下さい。
最大荷重の誤解
最大荷重2tのフォークリフトで2tの荷物を持ち上げて事故になる可能性があります。
最大荷重2tで2tの荷物を運べないなんて不良品では?と思ってしまいそうですが、実はそうではありません。
フォークリフトの最大荷重とは、マストからの距離も関係しているからです。
最大荷重はマストからの距離と一緒に記載されています。
そのため、マストからの距離が離れていくとテコの原理により最大荷重は小さくなっていきます。
最大荷重で対応できる荷物だったとしてもフォークリフトでどのように持ち上げるか次第では転倒などの事故に繋がる恐れがあるので注意が必要です。
フォークリフトによる事故を防ぐために
フォークリフトによる事故を防ぐため、合わないために気をつけておくべきことはいろいろありますが、私は下記の事が重要と思います。
無資格に運転をさせない、しない
無資格が運転をしないための、仕組みづくり、管理体制が必要です。
無資格にフォークリフトが運転できないことの周知や運転が必要になる場合は講習に行く体制など環境から整えていくことが大事です。
不用意にフォークリフトに近づかない
一時停止で左折しようとする車の前を平気で横切る人がいます。恐らく前進してくる可能性を全く考えた事がない人なのでしょう。
危険なものであると認識ができたのなら危機管理は絶対にすべきです。
こちら側にはこないだろう、自分に気づいているから大丈夫。
果たしてそうでしょうか?
もし、気づいておらず引かれたり、ぶつかったりすると大怪我じゃ済まないかもしれません。
フォークリフトが近くで操縦している時は不用意に近づかないようにしましょう。
フォークリフトを運転するための資格を得るには?
フォークリフトが資格がないと運転ができないのが分かったので資格を取りたいという人は全国のフォークリフト教習所で講習を受けにいきましょう。
資格を得るにはフォークリフト教習所へ
フォークリフトはフォークリフト専門の教習所で資格を取ることができます。
大阪だと24拠点程あるようです。意外と需要があるようです。
詳しくはお住まいの都道府県にてフォークリフト教習所を調べてみて下さい。
価格は?期間は?
講習を受けるのに価格は3~4万円程度掛かります。
受講期間は4〜5日間の日程(学科8〜12時間、実技24時間)で取得可能です。
ちなみに学科は運転免許を持っているかどうかで4時間変わります。
以上です。
フォークリフトについてご紹介しました。
フォークリフトは重い荷物を持ち上げるためにウエイトを備えている重たい乗り物です。
荷物を運んでいなくてもとても重たいことは理解いただけましたか?
運転する人、しない人ともに気をつけて怪我のないようにしなければいけません。
この記事で理解が深まったなら本望です。
最後に、イラストでたびたび使用していたフォークリフトのおもちゃですが、トイコーというおもちゃ屋さんから販売されているものです。
社内講習用やお子さんのプレゼントととして購入してみてはいかがでしょうか。
参考文献